アパレル企業の在宅勤務に関して
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、やむをえない場合を除き、外出を自粛することが求められています。こうした状況の中、多くの企業でリモートワークへの移行が進み、在宅で仕事をされる方が増えています。いま家にいることはあなたの大切な人や、誰かの大切な人を守ること。そして世界を守ることに繋がります。
アパレル各社でも今年度入社する新入社員に対して、入社式の取り止めや研修体制を変更するなど様々な対応を行っています。リモートワーク制度を導入、ニーズにあった働き方を推進するなど、様々な対応を行っています。
在宅勤務やリモートワークとは
在宅勤務やリモートワークというのは1つの専門性であり、
体系化されるべき仕組みであり、そこには組織としてのルールが必要です。
健康以上に大事なものはないのですが、とはいえ、やり方を変えた結果、
事業がうまくいかなくなってしまっては本末転倒になってしまいます。
ただ、変化に強いものが生き残るという生物学の歴史を信じて、
これを機に新たな働き方を考えて変わっていくしか道はありません。
在宅勤務やリモートワークの重要性
基本的に何においてもすぐに対応できる仕組みは自社で持っておくことは大事なので、
まだ準備もないのに、ある日いきなり強制力をもって行政から出勤停止を言い渡されるよりも、
自分たちの判断、自分たちのタイミングでその仕組みを導入するという点においては、結果的に良いようになると思います。
在宅勤務やリモートワークの注意点
では、実際に在宅勤務に入るにあたっての、注意ポイントを説明します。
リモートワークに有効なツールやミーティングの仕方についてはネット上でよくまとまってるので、注意すべき観点を三つあげます。
ちなみにリモートワークというのはオフィスの外でも安全なネットワーク環境ならリゾートでもシェアオフィスでもどこでも仕事していいよという意味で使っており、在宅勤務はその名のとおり家から仕事をすることをさしています。
①インターネット環境
まず、自宅にインターネット回線を引いておらず、
モバイル回線しかないというケースが特に若い人に多いです。
ただ、回線がひかれていたらOKかというとそうでもなく、
思ったよりも遅い/不安定というケースは一定以上見受けられています。
また、このタイミングでマンション内等の在宅が増えているからか、
回線が込み合い、通常よりも回線スピードが遅くなっている気がするというケースも増えています。
快適にリモートで働くには、そもそも一定以上のスピードを伴ったインターネットがないと始まりませんが、一方、今すぐ今日解決するのはそれなりに難しく、長期化するなら手を打たなければなりません。
②ファシリティ(施設や設備面)
大体においてファシリティは貧弱です。
一人暮らしにおいてはそもそもデスクと作業用のチェアがない場合がほとんどでしょうし、
家族と暮らしていても、リビングのテーブルと椅子がせいぜいで、書斎なんて持ってる人はほぼいません。
また、タブレットやノートPC全盛の中で、ディスプレイが家にある人も少ないです。
人にもよりますが、デザイナー、エンジニアには致命的になりえます。
またチームビューワー等のアプリを導入するのも、クラウドワークにするにあたってのサーバーのたて方等、ある程度、知識のあるものが設定するなどしないと無茶苦茶なことになります。
セキュリティー対策も非常に重要になります。
③同居人
共働き夫婦が同時に在宅勤務になった場合に、部屋がない、というケース出てきます。
夫婦に限らず、同棲、同居でも同じです。
そもそも、1人分ですら作業環境が整っていないことが多い中、数人分あるなど皆無に近いです。
家で恒常的に働くことなどもともと想定をしていないわけなので。
とはいえ、まあ、一人だったらなんとかなります。
でも、二人以上同じ場所にいると、ミーティングするにも気を使いますし、お客さんに電話するにも気を使います。
内容がいつも和やかだったらまだいいですが、
場合によってはピリっとする重めなこともあるでしょう。
それは双方気を遣わせ、生産性を落とします。
結果、外に出て電話せざるをえない、家から出て車の中からビデオに出ざるを得ない、
そんなこともありえるでしょう。さらに家に休み中の子供もいたら…。
とにかく、「オフィスとは全く違う」という環境でやっていかなければいけません。
もちろん、自宅環境が元から充実している、あるいはこれを機に自主的に家の環境を充実させ、
通勤がないことでパフォーマンスが上がったという意見もあるでしょう。
でも、必ずしも全員がそういう状態ではなく、むしろ現段階においてそれはマイノリティに思います。
アパレル業界でリモートワークが出来る業種
- 営業企画MD
- デザイナー
- 本部社員
アパレル企業の在宅勤務についてまとめ
リモートワークの導入については、必ずしも全ての職種がそうではないことは重々理解しています。
縫製の方や小売店の販売員など在宅勤務なんてありえない職種の方々がアパレル業界を支えてくれています。
困らずにモノが買えているのは、生産し、流通させ、それを棚に置いてくださっているからです。
当たり前に移動ができるのは、公共交通機関の方々が安定的にインフラを回してくださっているからです。
そしてなによりも、医療にかかわる人たちが危険を犯してでも今この瞬間も支えてくれています。
これからの数ヶ月、1年にわたる経済、社会のあり方を決める大事な時期になるかと思います。

より多くのマイナスインパクトが起こらないことを願いつつ、
自分たちにできることといえば、状況を見つつ自分で判断していくしかありません。
ピンチはチャンスです。この事態を通して、良い機会だと思って一層強くなりましょう。

