アパレル業界人必見!ファッションビジネスで必要となる専門的な知識について解説しています。

「マジェスティックレゴン」などを展開する大阪アパレルの株式会社シティーヒル 民事再生法申請 /新型コロナウイルス影響で倒産、負債50億円

株式会社シティーヒル  負債46億3595万円 民事再生法申請

 

負債総額は約46億3595万円。

16日大阪地裁に民事再生法を申請、同日同地裁から保全命令が下りた。

負債は、2019/2期B/Sによると46億3595万円。

「マジェスティックレゴン」などを展開シティーヒルについて

1986年(昭和61年)5月大阪市南船場で創業、1987年(62年)5月大阪市中央区南久宝寺町に移転、1988年(63年)6月法人改組し、当社設立、2011年(平成23年)7月現所に本社移転。1988年設立で、18~34歳をターゲットとしたヤングカジュアルを主体にレディースアパレルの企画販売を展開。当初は卸中心だったが、その後、店頭小売業に転換した。1995年に直営1号店の「マジェスティックレゴン」をオープンした。

マジェスティックレゴンを展開

ヤング向け婦人服を主体に扱うSPAとして、レディースアパレルの企画販売を展開。当初は卸中心だったが、その後、店頭小売業に転換。1995年に直営1号店の「マジェスティックレゴン」をオープンした。以降、ファッション誌やメディアを活用した積極的なブランド開発や店舗展開を進め、主要ブランドの「マジェスティックレゴン」のほか、「ルクールブラン」、「ペルルペッシュ」ほかの自社ブランドを展開。全国のファッションビルやショッピングモールを中心に店舗網を拡大するとともに、2012年以降は中国本土や台湾などへ海外出店も進めた。

マジェスティックレゴン ECサイトの活用などで業容を拡大

販売チャネルも店頭小売に加え、ECサイトの活用などで業容を拡大し、ピークとなる2016年2月期の売上高は年商143億9736万円を計上していた。

【業績】

2017/2期 売上136億5547万円  利益 -5602万円

2018/2期 売上136億7508万円  利益 -1億2972万円

2019/2期 売上137億2839万円  利益 -6943万円

業績は頭打ち

しかし、ここ数年は流行の変遷から主要ブランドの小売店舗での売れ行きが鈍化。著名ファッション通販サイトとの関係強化でEC向けは好調に推移したが、売上高は頭打ちの状況になっていた。

収益面は既往より赤字期が散発するなど不安定な推移をたどり、出店借入の負担も重く、余裕のない資金繰りを強いられていた。

資金繰りの圧迫

その後は消費低迷や同業他社との競合から売上は伸び悩み、2017/2期からは、不採算店閉鎖に伴う特損計上などで赤字が連続して続いた。在庫処分や不採算店舗の退去費用などが嵩んだほか、EC販売強化に伴う経費増などで2017年2月期から3期連続で赤字を計上、資金繰りが逼迫していた。

2019年2月期は、テレビドラマ「帰ってきた家売るオンナ」で女優の北川景子さんが「マジェスティックレゴン」を着用し、知名度が向上したが、地震や台風などの天災で一部店舗が運営できない事態も生じ、売上高は137億2839万円に低迷した。

今年に入り、2020/2期の赤字予測や金融機関への支援要請説が取りだたされるようになっていた中、1月半ばに主要取引先へ事情説明に回っていた事実が判明し、信用不安が広まっていった。

余裕のない資金繰りが続くなか、2020年も「新型コロナウイルス」の感染拡大の影響で、2月以降の売上が減少。手形の決済資金を確保できず、今回の措置となった模様。