アパレル業界人必見!ファッションビジネスで必要となる専門的な知識について解説しています。

ダブルフェイス|表裏の両面使える生地

ダブルフェイス生地について

2種類の生地を貼り合わせて1枚のような生地にし、厚みを持たすなど、外側と内側で素材の種類を変えるなどの「機能的側面」や、デザインとしての「デザイン的側面」から、「ダブルフェイス生地」というものがあります。

例えば、Tシャツで表地と裏地で色や生地感が異なる場合や、マフラーやストールなども表裏の色が異なる場合などあり、市場でもよくに見られます。

また、冬服のジャケットやコートにも用いられる「ダブルフェイス生地」ですが、このページでは「ダブルフェイス生地」の特徴や注意点について解説致します。

表裏の両面使える生地ダブルフェイスとは

二枚の生地を縫い合わせたり貼り合わせたりしているものをダブルフェイスいい、厚みを持たせる為に同じ素材をあえて二重にする場合もありますが、例えば「ニット(編み物)と織物」「合成繊維とシルク」「エステルとコットン」「無地と柄物」というように、異なる要素のものを組み合わせて一つにするハイブリッドな生地のことをいいます。
また、別名「リバーシブル」ともいい、「ダブルフェイス」と明確な定義の違いはとくには無いようです。

ダブルフェイスの種類

二重織り、二重編み、ボンディングなどの種類がある。

ダブルフェイスの特徴

ダブルフェイス生地の特徴 機能的側面

2枚の生地を1枚生地にすることから、厚みが生まれます。その為、冬服コートなどで使用されると風を通し難く暖かさがある程度増します。また、表面を麻素材の生地にし、肌に触れる裏地を柔らかい綿素材の生地にするなど表と裏とで異なる素材を使用することで、見た目の風合いと機能を実現するパターンもあります。

ダブルフェイス生地の特徴 デザイン的側面

2枚の生地の裏地同士を貼りつけたり縫い付けたりすることから、両面表地として機能します。
その為、例えば無地と柄物を組み合わせたり、肌触りの良いカシミヤのコートでも表地と裏地が異なる色を持たせるなど、特徴的かつ個性的なデザインやつくりを醸し出します。

構造

ダブルフェイス生地の作り方としては、主に2種類あります。
一つ目は、2枚の生地の裏地同士を部分的にを縫い付ける「二重織り」という方法。

そしてもう一つが、ポリウレタン樹脂などを接着剤として使用し貼り付ける「ボンディング」という方法。

裏地を必要としないため軽く、数シーズン前から秋口の羽織りや冬のコートに二重織りがよく使われている。

 

二重織りは、上下2枚の織物を作りながら、要所要所をつなぎ合わせて1枚にしている。生地が厚くなるためアウターなどの重衣料に用いることが多い。素材はウールやカシミアを使ったものが主流で、薄手で柔らかいコートを作る傾向だ。スタイリングを選ばずに、カーディガン感覚で着られて暖かく、女性らしさもでる。
ボンディングは2種類の生地を貼り合わせたもののこと。スエードとボアなど、種類の異なる生地を組み合わせることで、アイテムの印象に変化を出すことができる。

ダブルフェイス生地の注意点

ダブルフェイスの生地は、同じ要素の生地を二重にして生地に厚み感を持たせる為に行われることもありますが、異なる要素を組み合わせることも多く、そうすることで個性的な生地を生み出す役割もあります。
しかし、見方次第では品質的に無理のある生地であったり、デザインを優先し過ぎて品質の面が疎かになっているケースもあるので、購入の際にはケアラベルを見たり、自分自身でどういった不具合が予想されるかなど想定して注意しましょう。

引きツレ、ねじれ

2枚の生地を部分的に縫い付けるなどし1枚の生地にすることから、収縮率が異なる生地同士の場合、引きツレを起こす場合があります。表と裏で異なる素材が組み合わされている場合などは、洗濯やクリーニングをすることでねじれが生じないか確認しておきましょう。

色泣き、移染

染色の弱い生地と染色の強い生地や、濃淡で組み合わされた柄物などは「色泣き」や「移染」が起きる場合があります。

シミだし

接着樹脂であるポリウレタンが経時劣化を起こし、樹脂がシミ出してしまう場合があります。