サスティナブル、サステナビリティとは
サスティナブル(Sustainable)、サステナビリティ(Sustainability)とは、「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を意味します。
近年、ファッション業界において、人間・社会・地球環境への配慮を掲げることは重要課題となっている。
アパレル業界がかかえる今後の課題
最近ファッション用語でよく耳にするサスティナブルファッションとは?
アパレル業界が大量の労働力と天然資源を搾取しているのは周知の事実である。
限りある資源がいよいよ枯渇している今、ファッション業界のさまざまな場所で、ものづくりのあり方を大胆に変革する動きが高まってきている。
ファストファッション・ブランドでさえも、使い捨ての服を大量生産する一方で、サステナブルな取り組みに励んでいる。
サスティナブルのムーブメントの背景
バングラデシュ「ラナ・プラザ」での事故
ファッション業界のサスティナブルのムーブメントを起こすきっかけとなったのが、忘れてはならないファッション業界の大惨事、「ラナ・プラザ」での事故である。
欧米ビッグブランドの服飾品の下請けの縫製工場にて
2013年4月24日にバングラデシュで死者1,134人、負傷者2,500人以上を出す最悪の惨事だった。
起きた原因は震災や津波など自然災害ではなく、ファッション産業が引き起こした完全な人的災害である。
8階建てで5つの縫製工場が入居しているビルでは、錚々たる欧米ビッグブランドの服飾品の下請けをしていた。
ニューヨーク大学スターンスクールの「ビジネスと人権センター(Center for Business and Human Rights)」が発表した報告書によると、
事故前日の4月23日、「ラナ・プラザ」の従業員らは、8階建てのビルの異変に気づいていたという。
壁や柱にひびが入っているのを発見しマネージャーに報告し、地元警察は検査のための退去命令を出していた。
それにも関わらず、ビルのオーナーは問題ないと主張。
工場マネージャーらは従業員に仕事に戻らなければ、解雇の可能性があると話していた。
解雇を恐れた従業員がいつも通り出勤した翌日、午前9時頃にビルが停電し、違法に増築したビルの上層部に設置された発電機が稼働し、発電機の振動と動き出したミシンなどの機械の振動が共鳴して建物を揺らし、崩壊を引き起こした。
ファッション業界の未曾有の大惨事である。
以前から同国の縫製工場では火災による死亡事故が多発していたことも判明し、事故や災害に対する安全意識が欠如した製造現場の改善と労働条件の向上を求める声が高まっていった。
ファッション業界の問題が浮き彫りに
この大惨事から、グローバル展開する日本を含む世界の大手衣料品業者が、バングラデシュの劣悪な労働環境や安価な労働力に依存して利益を上げている状況が浮き彫りとなり、世界的に業界の論議を生んだ。
「ラナ・プラザ」での事故からの教訓を活かして
サスティナブルファッションを支持する動き
消費者もこの事故にショックを受け、自分のお気に入りのブランドがどのような活動をしているのか調べたり、所持する服がどこでどうやって作られて来たのかを疑問に思い始め、それを追求する活動も出てきた。
ミレニアル世代を中心にサスティナブルなファッションに大きな関心がでてきたのである。
ネットを使って新しい流行や思考をすばやく取り入れられるこの時代、ただ単に安く流行を追ってゴミとなる服はクールではないと、関心を示さなくなっている若者も多くなってきているのだ。
サスティナブルファッションを支持する若いデザイナーや女優、俳優などの影響も大きくある。
近年ファッション業界は、持続可能な会社を目指してさまざまなことに挑戦しているが、頓挫することも多いのが現実だ。
しかし、一人一人が責任ある役目として、日々、自分たち自身に挑戦し、地球に与える影響を最小限に抑え、環境危機への解決策を考えて、行動する。
全体としてすべきことは、ファッション業界として、業界自体を規制する方法を見つけることが急務である。