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綿コットン素材の特徴|生地の特徴を解説

綿(コットン)とは?

はじめに「綿」(コットン)とは、木綿の種から取れる「種子毛(しゅしもう)」の事をいいます。

簡単にいうと、綿(ワタ)の木の種を守るために生える白いふわふわした部分が綿(コットン)いう事です。

主要生産国は、アメリカ・中国・インド・エジプトなどの国土が広い地域で、国土が狭い日本ではほとんど栽培されていません。

また3年以上合成化学物質を使用していない農地で、合成化学肥料を使わずに育てられたものは「オーガニックコットン」と呼ばれ、環境面からも高い評価を受け、近年その需要は高まってきています。

綿の歴史について

原産は約8000年以上前のメキシコといわれています。

そこから商人によってインド・エジプトを経てイタリア、スペインを経由してヨーロッパ・中国へ、日本には平安朝初期に中国から輸入されました。中国から日本へと広まってきました。

アパレル業界における綿の普及率について

現在の日本では、使われている繊維の40%はコットンが使われているようです。

また、コットン100%の素材もあればポリエステルなどの合成繊維と混合させた素材もあります。

綿(コットン)の特徴について

綿は非常に万能な素材なので、つむぎ方や織り方によって様々な特徴を生み出す事ができます。その中でも、特徴が大きく分かれる要因としては「繊維の長さ」「糸の太さ」「織り方」があげられます。

繊維の長さ | 綿(コットン)の特徴

繊維の長さについてですが、繊維が短いものは短繊維、長いものは長繊維と呼ばれます。特徴として、短繊維は少し毛羽がありざっくりとしていて柔らかく、長繊維は滑らかで光沢感があります。基本的に綿は短繊維に分けられますが、世界3大高級綿と言われるアメリカのスーピマ綿、エジプトのギザ綿、中国の新疆綿(しんきょうめん)は非常に繊維が長く、まるでシルクのような風合いを持っています。

糸の太さ | 綿(コットン)の特徴

糸の太さについてですが、太さを表す単位として番手(ばんて)というものがあります。0番から数字が大きくになるにつれて糸が細くなり、滑らかさとツヤが増していきます。番手には先ほどの繊維の長さも関係しており、短繊維は太めの糸、長繊維は細めの糸になる、と考えても良いと思います。

糸の太さを表す単位(テックス、番手、デニール)

  1. テックス
    繊維や糸の太さを表すSI単位です。長さ1,000mで重量が1gあるものを1テックスといい、数字が大きいほど太くなります。
  2. 番手
    紡績した糸の太さを表わす単位で、一定の重量に対して、長さがいくらあるかで表わし、綿番手、毛番手、麻番手などがあります。番手数が大きいほど糸の太さは細くなります。
  3. デニール
    繊維や糸の太さを表わす繊度の単位。数字が大きいほど糸は太くなります。

織り方 | 綿(コットン)の特徴

最後に織り方についてです。実は織り組織としての種類は、「織りの3原組織」と呼ばれる、平織り・綾織り・繻子(しゅす)織りの3つしかありません。その3種類の織り組織を応用した生地がいろいろある、という事です。

  • 平織り

まず平織りでいうと、ハンカチなどで使われるローン、シャツ生地で有名なオックスフォード、やわらかく吸湿性に優れたガーゼなどがあります。

  • 綾織り

綾織りでは、皆さまにも馴染みが深いデニム、滑らかで光沢感があるギャバジンなどが有名です。

  • 繻子織り(しゅすおり)

繻子織り(しゅすおり)ではサテンが代表的な生地です。織り方は生地の持つ機能面・風合いすべてに関係してくるので、用途に合わせてしっかりと選ぶ必要があります。

またこれらは綿生地のほんの一部でしかなく、他にもたくさんの種類が存在します。

そこで今回は綿そのものが持つ基本的な特徴を5つご紹介します。

綿(コットン)の持つ、基本的な特徴を5つ

特徴1:吸水性・通気性に優れている| 綿(コットン)の特徴

コットンの特徴は、「吸水性が高い」という点です。

コットンは水分を吸収しやすく、さらに吸った水分がすぐに蒸発させられるという特徴もあるので、速乾性もあります。

リネンのように、天然繊維の中には綿よりも優れた吸水性を持つ素材もありますが、化学繊維と比べるとはるかに優れた吸水性を持っています。

また吸収した水分は外に発散されるので、通気性が良く、特に衣料品においてはシーズンを通して快適に使うことができます。

第二の特徴として、「水に強い」という点です。

水に強いことで使用用途も広まりますし、何よりも使い回しが効くのです。

特徴2:柔らかな肌触り| 綿(コットン)の特徴

そして身近な素材で慣れている人も多いかもしれませんが、「柔らかい肌触り」という特徴もあります。

コットンで作られた生地は柔らかく、手触りが良く身につけていても快適です。

綿はもともと種子を守るための繊維なので、ザラザラ・チクチクといった肌触りはほとんどありません。

また綿繊維は天然撚りと呼ばれる「よじれ」を最初から持っているため非常につむぎやすく、柔らかくしたり硬くしたりと用途に合わせて最適な風合いを作ることができます。

特徴3:染色しやすい| 綿(コットン)の特徴

綿は染色性に優れているため、様々な染め方ができる素材です。

染料の種類はもちろん、繊維・糸の状態で染める先染め、布の状態で染める後染め、化学繊維では難しい製品化してから染める製品染めも綿なら可能です。

また発色性にも優れているので、思い通りの色を乗せることができるのも大きな魅力です。

特徴4:耐熱性に優れている| 綿(コットン)の特徴

綿はミトン、布巾にも使われるほど耐熱性に優れた素材です。

単に丈夫ということではなく、熱に当てても溶けたり軟らかくなったりしにくいのが特徴です。

普段の生活において耐熱性に優れていることのメリットとしては、アイロンがしやすい点があげられます。

特徴5:値段が手頃| 綿(コットン)の特徴

綿は他の天然繊維に比べて値段が手頃なため、既製品での価格はもちろん、自作のときにも用途に合わせた生地を選びやすい事があげられます。

もちろん綿の中にも様々なグレードがあるので、価格面での選択肢があるというのは魅力の一つです。

綿についてまとめ

コットンは利便性のある素材なので、活用方法がとても幅広いです。

水に強く吸水性に優れ、染色にも強いコットンはどんなアイテムにも向いています。

コットンの特徴を理解し、製品作りや日用品にコットンを取り入れていきましょう。